ひさしぶりの文学の読書会です。
今回は展覧会と合わせてキャンプを張ります。
テキストはイタロ・カルヴィーノの『見えない都市』、
展覧会は現在、東京都写真美術館で開催中のフィオナ・タン「まなざしの詩学」展。
写真や映像の持つ「見ること」「見られること」についての問題や、マルコ・ポーロが語る伝聞の都市の物語を通し「複製/コピー」の有り方を(それらは決して現実ではない)見つめます。
東方と、叶わぬ果てと、目下を過ぎゆく都市。実在と非実在の狭間へと赴く旅です。
【第一部】展覧会鑑賞 フィオナ・タン「まなざしの詩学」展
日時|2014年9月18日(木)夕方頃から各々自由に鑑賞。
→19時55分エントランスホールにて集合。
場所|東京都写真美術館
*映像作品をすべて鑑賞するのに2時間ほどかかります。ご注意ください。
*招待券有り。希望者は美術館到着後、主催に電話連絡のこと。
*展覧会鑑賞会と読書会は、別日になりますのでご注意ください。
*鑑賞後、新宿にて飲み会。
(フィオナ・タン インタビューより)
──2つの映像が同時に上映される「ディスオリエント」が、今回の個展ではもっとも象徴的な作品だと思います。
「マルコ・ポーロの『東方見聞録』からインスピレーションを得ています。片方のスクリーンは、マルコ・ポーロが東方から持ち帰った文物を保管・展示するという、架空のプライベート・ミュージアムの映像。マルコ・ポーロが出発したヴェネチアでこの“空想博物館”のセットを組んで撮影しました。
もうひとつは彼がたどったアジアの国々を撮影したフィルムです。マルコ・ポーロが東方に向けて出発したのは今から約800年前のこと。だから、この映像と彼の旅との間には約800年の時間の隔たりがあるわけです。ヨーロッパとアジアとの間にも、約1000キロの地理的な距離がある。つまりこれは、時間と空間の間に橋を架ける作品なのです」──「ディスオリエント」の、アジアの国々で撮影した映像には「東方見聞録」のテキストがボイスオーバーで重ね合わされています。
「語りと映像とはできるだけ一致させるようにしています。マルコ・ポーロは『東方見聞録』を、彼のあとに続く商人たちのためのガイドブックとして書いていて、現代の旅行ガイドのように地理や商店などを実に細かく描写しています。『通りの端に木があり、そこを左へ行ったところにあるマーケットでは上質な絹が手に入る』といった具合に。あまりに退屈で、かえって気になるぐらいです(笑)。タイトルの『ディスオリエント』には『非・東洋』、東洋を拒絶する、という意味と、『方向感覚を失う』、どこにいるのかわからなくなる、という二つの意味を込めました」
【第二部】『見えない都市』読書会
日時|2014年9月27日(日)18時集合
場所|吉祥寺 中道通り イラストレーション事務所にて
会費|食事代を実費にて(1200円程度)
持物|お酒・ソフトドリンクなど、ご自分が飲まれる飲み物。
定員|若干名
好きな本、読みさしの本など、ご紹介されたい本がありましたらお持ちください。
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